タカタテクノサービス
32GT-Rエンジン不調修理
投稿日:2021.04.06
BNR32 スカイラインGT-R エンジン不調の為入庫です。
![](https://www.takata-gr.com/wp/wp-content/uploads/2021/04/c0236613_18123288-350x263.jpg)
明らかに不調なので、判断に時間はかからないだろうと思っていましたが、そうはいきませんでした。
点火OK 燃料OK コンプレッションOK シリンダーリークテストOK
しかしながら4番シリンダーがきちんと燃焼してくれません。
コンプレッションとリークテストがOKなのに圧縮不良なんてあるのだろうか?
あるとすればどのような状態のときに起こるのか?
今回の判断方法が正しいかどうかは分かりませんが、不具合箇所の特定は出来たのでご紹介します。
各シリンダーが圧縮上死点の状態で燃焼室内を加圧ではなく負圧方向でのチェックをしてみました。
バルブ廻りに問題があるとすれば何かしらの反応があるはず。
結果は4番シリンダーのみ負圧にならず。この状態でプラグホールからスコープでバルブの状態を確認してみました。
![](https://www.takata-gr.com/wp/wp-content/uploads/2021/04/c0236613_18410577-350x263.jpg)
エキゾーストバルブの傘部分の画像です。開いています。
加圧方向のテストではこのバルブが閉じてしまっていたのでしょう。
ここまで判断できたのでバルブカバーを外して確認してみます。
バルブクリアランスがすごく広がっています。
![](https://www.takata-gr.com/wp/wp-content/uploads/2021/04/c0236613_18131237-263x350.jpg)
カムシャフトを取り外して確認していきます。
バルブスプリングも外してみました。
![](https://www.takata-gr.com/wp/wp-content/uploads/2021/04/c0236613_18130233-350x263.jpg)
![](https://www.takata-gr.com/wp/wp-content/uploads/2021/04/c0236613_18125193-350x263.jpg)
バルブスプリングの折損です。
通常バルブスプリングの交換はシリンダーヘッドを取り外しての作業になりますが、
市販の工具を改造して車上でのバルブスプリング交換を可能にしました。
お客様への負担も少なくすることが出来ます。
全ての部品を組み込んでエンジン始動。
正常な状態に戻りました。
はじめての作業のご依頼でしたが、お役に立つ事ができて良かったです。